家計診断Q&A

家計診断Q&A

住宅を購入した直後に収入減となり将来が不安です。
ローンの見直しをした方が良いでしょうか?


 

市田 雅良先生
(いちだ まさよし)
プロフィール

  • シングルが加入する保険は必要以上の保障にならないように。
  • 住宅ローンは定年時には完済しよう。
  • 生活レベルにあった余裕を見つけ出そう。
     

安倍 洋子さん(仮名 40歳 会社員)のご相談

今年40歳になります。定年が60歳だとすれば、人生の就労期間の折り返し地点と考えています。昨年は将来を見据えて住環境を快適に過ごしたいと思い、分譲マンションを購入したところです。ところが今年に入り、お給料は頭打ちどころか減少となることがわかり、今更ながら将来のライフプランが不安になってきました。
対策として貯蓄を増やす目的で財形貯蓄を始めました。次に考えているのが、住宅ローンです。返済をはじめたばかりですが見直したほうがいいでしょうか。また、保険の見直しをしたいと思います。ライフプラン上の問題点と対策のアドバイスをお願いします。

安部さんのプロフィール

安倍 洋子さん 40歳 昭和44年4月5日生 会社員【上場企業勤務】 世帯主

現在の年間の収入

●世帯主 安倍 洋子さんの収入
給与収入(昨年より減少) 466万円
社会保険料・税 ▲95万円
可処分所得合計 371万円

現在の年間の支出

支出の部
日常の生活費 103万円  
住宅関連費 156万円  
その他費用(レジャー関連) 10万円  
生・損保保険料 56万円 (生保54万円+損保2万円)
貯蓄額 45万円  
支出合計 371万円  

現状のキャッシュフロー表

拡大表示> <別ウィンドウ表示

保険の悩み
・((1))のN生命の保険は間もなく42歳時の更新があり、少し上がっても負担が少ないですが、このままでいいでしょうか?
・((6))の所得保障保険はメリットが無いように思えるのですが
・今回整理して、((7))の保険は生保系の個人年金保険のつもりで入ったのですが、損保だったことがわかりました。

● 現在返済中のローン& 返済計画予定のローン
○1つ目のローン 
借入機関 T住宅ローン  
当初ローン開始日H20/4/21   固定 (詳細 元利均等)
返済期間 35年 当初融資額 1,680万円  
期間 金利 年間返済額 月返済額(賞与返済)
1年目 2.34% 706,536円 58,628円
5年目 2.64% 731,880円 60,990円
 
○2つ目のローン
借入機関 信託銀行  
当初ローン開始日H20/4/21    変動 (詳細 20年間 1.5%優遇)
返済期間 20年 当初融資額 900万円  
期間 金利   年間返済額 @1回返済額
1年目 1.38% 変動 月額 343,308円 28,609円
年目   ボーナス 171,688円 85,844円

ローンの借り換えよりも繰り上げ返済、
保険は過剰な保障を見直して保険料の節約を。

1.保険見直しのアドバイス

いざというときの備えは保険でしっかり準備しておきたいところです。40代の場合、女性特有の病気も多いことから、男性より女性の方が入院しやすい傾向にあるので、予防や早期発見も心がけましょう。
洋子さんは会社員の健康保険に加入されているので、入院などをした場合には、健康保険から高額療養費や傷病手当金などの給付が見込めます。また差額ベッド代や雑費などに備えて、入院1日5,000円を目安に医療保険で準備するというのも一つの方法です。

1. ((1))のN生命の保険は、洋子さんが死亡した場合に保障期間内であれば2,000万円が遺族に支払われることになります。2,000万円の保障を残したい方がおられるのでしょうか?死亡後にいろいろと迷惑をかけたくないということであるならば「お葬式費用+α」を目的に加入されるのがいいのではないでしょうか。とすれば、500万円程度を保障額として見直されてみることをお勧めします。また特約部分について、医療保険で終身に加入されているので、外す事も検討されてみてはいかがでしょうか。
2. ((2))〜((6))のAFL生命の医療・がん保険に関して。((2))の医療保険は1日1万円の保障があり保険料5,230円です。退職後は特に、保険料の負担がボディブローのように効いてきそうです。目安を日額5,000円とし、減額を検討しましょう。((3))〜((5))は、不安に備える負担額のバランスを考えれば妥当なところと見受けられますがいかがでしょうか。
((6))の所得保障保険に関しては、万一があっても貯蓄でカバーしましょう。シングルのライフプラン上あまり必要とは思われません。解約されてもいいと思います。
3. ((7))の年金払積立傷害保険は、生保版の「個人年金保険」に対して、損保版の個人年金保険で有効な保険と思われます。ただし、生保系と勘違いされていたように、年末調整・確定申告時の所得控除では生保の個人年金保険料控除の限度額の5万円を使うことができません。下記の表からもわかるように、この損保系の保険は、地震保険料控除と合算されて損害保険料控除が使えます。それも合算して限度額5万円となっています。これは経過措置により施しがあるものの、年金払積立傷害保険は1.5万円が限度となります(損害保険の所得控除のおさらい)。

損害保険料控除制度改正(所得税に関しての表となっています。住民税とは別となります。)
制度改正前の保険契約の区分 対象となる保険など 改正前(2006年12月末まで) 改正後(2007年1月以降)
短期損害保険契約 地震保険 <控除限度額>
所得税:3,000円
住民税:2,000円
地震保険料控除制度
<控除限度額>
所得税:50,000円
住民税:25,000円
<対象となる払込保険料>
所得税:払込保険料の全額
住民税:払込保険料の1/2
(注)住民税は2008年度から
火災保険、傷害保険 廃止
長期損害保険契約(保険期間10年以上で満期返れい金が支払われるもの) 年金払積立傷害保険
保険期間10年以上の積立、火災保険・積立傷害保険
<控除限度額>
所得税:15,000円
住民税:10,000円
廃止
(注)経過措置として、2006年12月末日より以前の契約に従来の損害保険料控除(左記)を適用

2.住宅ローンの見直しアドバイス

昨年、家を購入するときに十分吟味してローンを組まれたということですが、デベロッパー関係のローンを組まされたみたいですね。ローンの専門担当が一般的に見合わせて良かれと思って組まれたのだと思います。しかし、調べてみれば洋子さんの勤務される会社では福利厚生が充実していて、住宅ローンも一般の方よりも有利なローン商品が摂り揃っていました

例えば、ローン金利は固定金利で2%を下回るものもありましたし、ローン保証料が無料のものもありました。これを購入の際に検討されなかったのは残念です。

「借り換え」でこれらの有利なローン商品を選ぶことも可能なのですが、抵当権の設定などの登記費用がかかるので、今の借り換えはお勧めできません
もちろん、「繰り上げ返済」は今後の計画に入れることは大切です。実行するとすれば、今後5年ごとに100万円〜300万円の繰り上げ返済を行うことはキャッシュフロー表からも可能な額といえます。その際「金利の高いもの」から充当することがポイントとなります。

今後、金利の上昇が大きく動くときには、先に述べた「借り換え」を検討したいものです。その場合の住宅ローンを見直すポイントは、「金利上昇リスクを無くす為にすべてを固定金利とする」、「返済額負担を無くすために期間設定を長めに取る」、「金利変動リスクはあるが、より低い変動金利を選ぶ」という方法があり、これらを総合的に判断して検討したいものです。
金利動向は誰にも明確に読めるものではないので、これらがベストとは言い切れません。その際、自分自身が納得した方法を選びましょう。


3.将来のキャッシュフローについて


拡大表示> <別ウィンドウ表示

・キャッシュフローについて
((1)) 現在目標の年間貯蓄45万円(36〜50万円のブレがあります)は可能です。ただし、お給料のブレを将来0%と予想した表なので、さらに給与の減額があれば厳しいものとなる可能性はあります。当然、お仕事の評価で資格等級クラスがアップすれば増える可能性もありますね。
((2)) 60歳の定年時期に退職金(700万円予想)とローン残高(700万円)を相殺し、一括返済の計画は可能。また100万円を貯めて繰り上げ返済を計画的に実施(60歳まで3〜4回程度)すれば、利息分の貯蓄額アップが望めます。
((3)) 60歳以降の個的年金+企業年金の予想では、60代前半約183万円(60代後半は239万円)を計算に入れています。
((4)) 保険の見直しによる保険料負担の軽減分による貯蓄増加の効果は、プラス材料として考えられます。


まとめ

世の中の景気の先行きの不安が増大する中で、ライフプランの実行は大変困難な作業となってきています。
就業リスクが高まる中で、洋子さんがお勤めしている上場企業は、身に降りかかる「就業リスク」はまだ低いようです。でも、最悪の状態も想定した上でのライフプラン設定をしておきましょう。

そのためには、住宅に関する支出が42%(一般的には30%程度が限度)というのは突出しています。洋子さんは現在シングルなのでその他の支出が抑制できるというメリットがあるからこそ、生活リスクのバランスが何とか保たれている状態といえます。
では、どうすればいいのか?ですが、やはり、住宅ローンを意識して幾らかでも少なくしていくことがポイントとなるでしょう。60歳の定年時といわず、もっと早い時点でのローン返済対策を実行すべきだと思います。
とはいえ、ローンのことばかり考えていては気持ちはアセルばかり・・・レジャー関連費用年間10万円が計上されているように、うまく息抜きをしながら、賢く利用して余裕のある生活を楽しんでください。

Copyright(C) NTT IF Corporation