家計診断Q&A

家計診断Q&A

収入のない高齢の母親との2人暮らしで、
将来に備えてマンション購入を考えています


 

山田 静江先生
(やまだ しずえ)
プロフィール

  • マンションを購入するという前提で資金準備をする
  • 「世帯分離」でお母様にかかっている費用の軽減を
  • お母様のことは一人で背負わず、きょうだいで分担する部分も大事
     

塚本 晶子さん (仮名 43歳 会社員)

今現在、家賃約70,000円の賃貸に住んでいます。
母には年金の支給が無く、私の収入で生計をたてています。
犬を1匹飼っていて、将来は一人になったときにマンション購入をしたほうが良いのか、このまま賃貸で生活したほうが良いのか迷っています。

貯金は約500万円、養老保険・がん保険に加入しています。旅行が趣味なのですが、母が2年前に脳梗塞になり、現在、要介護2でディサービスを利用して、毎月20,000円かかっています。たまに余裕が無いときもあり、上手く貯金ができません。

犬を飼っているので、賃貸よりマンション購入のほうが良いと聞いたことがあるのですが、購入したらローンの支払などが心配になります。
良いアドバイスをお願いします。

塚本 晶子さん(仮名 43歳 会社員)のプロフィール

世帯年収 : 480万円(手取年収394万円)
家族構成 : 母 78歳 無職
住まい : 賃貸

  毎月 ボーナス(年間)
手取り収入 245,000 1,000,000 3,940,000
       
支出      
家賃 70,000   840,000
食費 28,000   336,000
水道 6,500   78,000
電気代 4000   48,000
ガス代 3,500   42,000
通信費 9,000   108,000
レジャー費   150,000 150,000
ペット費 10,000   120,000
洋服など   60,000 60,000
生活予備費   100,000 100,000
生命保険料   220,000 220,000
こづかい 21,000   252,000
雑費・その他 25,000   300,000
デイサービス代 20,000   240,000
病院代 8,000   96,000
母健康保険・介護保険料   45,000 45,000
母こづかい 10,000   120,000
貯蓄 30,000 100,000 460,000
使途不明・不意の出費など 0 325,000 325,000
245,000 1,000,000 3,940,000
(内、お母様にかかる費用) 501,000
貯蓄残高 約600万円
生命保険 養老保険 満期200万円
※3年ごとに
生存給付金あり
満期2019年
医療保険 日額 5,000円 終身
がん保険 日額 1万円など 終身

住まいだけでなく、お母様の介護など
将来のリスクを見通して計画を立てましょう

マンション購入は資金準備から

マンションは、購入すれば数千万円単位の借金を背負うことになる一方で、そう簡単に売ったり貸したりすることはできないので、収入(仕事)や家族関係が安定していない場合には、お荷物になってしまうリスクがあります。安定した収入が得られる保障がないのであれば、なるべく自己資金を多く準備して、ローンにはできるだけ頼らないことです。

お母様は現在、要介護2ということですが、今後要介護度が高くなって施設へ入所したり、ご病気等で入院が必要になったりするかもしれません。介護のため塚本様が今のように働けなくなって収入が減ることや、介護費や治療費がかさむようになることなどは、すぐにでも起こりうることです。現在約600万円(養老保険の解約返戻金を含めると約700万円)の貯蓄の全部をマンション購入資金に使えるかどうかわからないと覚悟して、貯蓄ペースを上げるようにしましょう。

賃貸と購入どちらがいいかという点ですが、ずっと家賃を支払っていくことに不安を感じる方も多いのですが、購入した方が得ということはありません。マンションを購入すると、「ローン返済」のほかに「固定資産税(10万円前後)」「管理費や修繕積立金(年20万〜30万円)」の負担があることをお忘れなく。「借入金の利息(2,000万円を3%で借りたら初年度は60万円)」を考えると、マンションを買ってすぐにローンが払えなくて売らなければならなくなったら、大変な損失なのです。だから購入するなら、入念な資金計画を。一方賃貸であれば家賃を払い続けることになります。つまり、いずれにしても「住まいのコスト」がかかるので、そのための資金準備が必要ということです。

購入するかどうかは、諸条件が整ったときにまたじっくり考えればいいでしょう。


「世帯分離」で負担の軽減を

健康保険や介護保険などの保険料や、自己負担・利用料等は、本人および世帯全体の収入で決まります。お2人の世帯が一緒(住民票が一緒)になっていれば、「本人は収入なしだが、同じ世帯内に収入のある人(塚本様)がいる人」という条件での保険料や利用料になります。しかし、同じ住所のまま塚本様とお母様の世帯を分ければ(世帯分離)、お母様は「収入がなく同世帯内に収入がない人」と判断されます。世帯分離の手続きは簡単ですので、市区町村の窓口で尋ねてみてください。

なお、たとえ世帯分離して世帯が別になっても、扶養の実態があるので、お母様は扶養家族とみなされます。所得税の扶養控除は、引き続き利用することができます。


お母様に関する負担はできるだけきょうだいで分担を

現在の家計を見てみると(別表参照)、お母様関連の支払いが年間約50万円です。このほか食費や水光熱費、雑費なども負担されているはずです。世帯分離の手続きで多少負担は減るかもしれませんが、今後お母様の年齢が高くなるほど、介護や費用の負担は増えるはずです。現在は収入の範囲内で負担できてはいるものの、この先どうなるかわかりません。ごきょうだいや親子の関係の問題もあるので一概には言えませんが、お兄様にも相応の負担をお願いすべきと思います。

塚本様の年間貯蓄額は約46万円と年収の1割ちょっと。将来のマイホーム購入や老後資金準備を考えると、もう少しペースアップしたいところです。お兄様へはお金の問題だけでなく、お母様の介護等の世話にかかわって欲しいということを、率直に伝えてみてください。塚本様に何かあったときに、お母様の面倒をお兄様がスムーズに引き継ぐことができるような体制作りが必要と思います。

生命保険については、必要十分なものに加入されていると思いますので、このまま続けてください。

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