家計診断Q&A

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子どもの医歯系大進学に備えて
教育資金を貯めるオススメの方法はありますか?


 

宮塚 達夫先生
(みやつか たつお)
プロフィール
貯蓄目標額を設定しましょう
保険商品のメリット・デメリットを理解しましょう
教育資金贈与の特例利用を考えましょう

市川 雄一さん(仮名 40歳 勤務医)のご相談

子供2人を医歯系大学に進学させたいと思い、教育資金を貯めるために保険の活用を考えています。 特に10年後、長男が大学に進学するための教育資金を心配しています。アドバイスをお願いします。

市川 雄一さん(仮名 40歳 勤務医)のプロフィール

家族構成  
夫 : 市川 雄一 40歳  勤務医
妻 : すみれ 41歳  専業主婦
長男 : 雄介  7歳
次男 : 雄大  5歳
現在の貯蓄 : 380万円
年収 : 800万円
毎月の貯蓄額 : 毎月20万円
将来は毎月50万円できたら理想と考えている。
2人のお子様の進学希望経路  私立中→私立高→医歯系大学

目標額は3000万円。
保険で確実に準備しながら分散して準備しましょう。

いつまでにいくら必要なのか把握しましょう

「文部科学省平成24年度子供の学習費調査」の結果では、私立中学校に進学した子供にかかる年間平均学習費総額は約130万円、私立高校は約97万円となっています。ちなみに、公立小学校は約30万円ですが、医歯系大学進学を視野に入れたいわゆる有名進学中学校への入学を目指すとなると、更に進学塾への出費も相当額必要になると思われます。もちろん、高校生の時も医歯系大学受験のための塾費用は、他学部進学希望者に比べると高額になります。大学入学までにも、家計簿やキャッシュフロー表などを活用した計画的な家計管理が必要なことはいうまでもありません。

では、医歯系大学の授業料はどうでしょうか。医歯系大学でいえることは、国立大学と私立大学で4年間に必要な学費が大きく違ってくることです。国立大学の場合、諸費用も含めた6年間の学費は約350万円ですが、私立大学の場合安い大学でも約2,000万円、高い大学になると5,000万円近い学費がかかり、平均でも3,300万円程度です。最近、優秀な学生を集めるために、一部の私立大学では授業料を値下げする動きも見受けられますが、そのような大学は入試難易度も上がってしまうようです。

市川様のご子息が間違いなく国立大学に入学できるということであれば、あまり問題はないかと思いますが、私立大学に入学した場合のことも想定しておかなければなりません。また、下のお子様と2歳違いということもあるので、ご長男が大学に入学する時期までに、相当な貯蓄をしていく必要があります。

まずは、ご長男が大学に入学する時期までに、いくら用意しておけばいいのか明確な金額を設定してください。そして、この金額は生活費や上述した塾費用などとは別枠で貯金することが必要です。そして、仮にご長男が大学に入学する10年後までに3,000万円の目標を立てた場合、金利ゼロで計算すると毎月25万円貯蓄しなければなりません。市川家の現在の貯蓄額は決して多いとはいえないので、今後相当な覚悟が必要といえます。生活スタイルを変える必要があるかも知れません。ご家族でよく話し合った上で、ストレスが溜まらない範囲で実行されることをお勧めします。

 

学資保険

お子様の教育資金を貯めるための保険というと、真っ先に思い浮かぶのが学資保険(子供保険ともいう)です。以前は、保障を重視していたため、支払った保険料よりも、受け取る金額が少なくなる商品がほとんどでしたが、最近は高利回りを競った商品がほとんどで、元本割れする商品はほとんどなく、貯蓄性はあるといえます。また、契約者(親)の死亡(高度障害)時には、その後の保険料支払が免除され、かつ保険金は保険料を満期まで支払った場合と変わらず受け取れる商品が多いので、万が一のことがあっても、お子様の教育資金を確保することができます。

では、市川さんは今回ご長男の大学入学資金のために学資保険に加入した方がいいのでしょうか?学資保険は契約者の年齢とお子様の年齢に各保険会社それぞれに制限があり、最近人気のある高利回り商品を調べてみると、市川さんのご家族年齢、特にご長男の7歳という年齢で契約可能な商品は限られてきます。大学入学時に一括して一時金を受け取れ、さらに兄弟で加入した場合、保険料の割引も適用される学資保険もありますが、7歳だと生年月日によっては加入できない可能性もあるので、加入を検討される場合は一刻も早く調べてみてください。ちなみに高利回りの学資保険を探す場合、インターネットで「学資保険」「利回り」などのキーワードで簡単に検索することが可能です。利回り110%をひとつの目安にしてみてください。

 

低解約返戻金型定期保険

この保険は本来教育資金を目的とした商品ではなく、死亡時や高度障害時に保険金がもらえる点では普通の定期保険と同じですが、払込期間(低解約返戻期間)が終わると、それまで低く抑えられていた解約返戻金の額が一気に上がって、高利回りを享受できるという特徴があり、学資保険の代わりになる保険です。市川さんの場合、ご長男の大学進学に合わせて10年払込で契約すればいいことになります。

そして、この保険と学資保険では大きな違いが2点あります。1つは学資保険では保険金を受け取る満期日が決められていますが、低解約返戻金型定期保険では任意で選択することができることです。例えば、ご長男が大学に入学した時に家計に余裕があり、保険金を入学金に回さなくても大丈夫といった場合は、解約しないで保険契約を継続し、次男の入学時に解約して入学金に充当することもできます。また、保険金額のうち少しだけ使いたいと思う場合は、契約を減額して必要な金額だけ保険金を受け取り、残りの契約は継続することも可能です。もう1つの違いは、お子様の年齢を気にする必要はないという点です。前述したように、学資保険の場合、契約者年齢やお子様の年齢で加入できない場合がありますが、この保険ならその心配は要りません。

 

保険で貯蓄する場合の注意点

確かに学資保険や低解約返戻金型定期保険を活用した場合、ある意味お金に「教育資金」という目的を書き込むことが可能となり、しかも、保険料は銀行口座から直接引落しされるので、確実に貯蓄することが可能です。しかし、メリットばかりではありません。途中解約した場合は、払込金額を下回ってしまいます。したがって、保険で貯蓄をする場合は、絶対に無理な保険料での契約はせず、この金額なら何があっても払える程度の金額にしておくことが大切です。

また、今後アベノミクスが順調に進んで金利が上昇した場合、利回りを固定してしまうと実質価値が目減りしてしまう可能性もあります。貯蓄も投資と同じく分散させるべきなのです。銀行引落しではありませんが、国債・社債や定期預金などへの分散を検討してみてはいかがでしょうか。最近は、この会社なら絶対倒産しないだろうと思われる企業でも高利回りの個人向け社債を発行しています。もちろん、リスクがないわけではありませんが、株式等に比べればはるかに安全です。償還期間も短めのものが多いので、いろいろ組み合わせてみてはいかがでしょうか。定期預金に関しても、ネット銀行でボーナス時期に募集されるキャンペーン定期預金の金利は結構魅力があるものです。前もってメルマガ登録しておくと、キャンペーンのお知らせがくるので便利です。

 

教育資金の贈与は受けられないでしょうか?

教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」という制度をご存知でしょうか。30歳未満の者の教育資金に充てるためにその直系尊属が金銭等を拠出し、金融機関に信託等をした場合には、信託受益権の価額又は拠出された金銭等の額のうち受贈者1人につき1,500万円(学校等以外の者に支払われる金銭については、500万円を限度とする。)までの金額に相当する部分の価額については、平成25 年4月1日から平成27年12月31日までの間に拠出されるものに限り、贈与税を課さないこととする制度です。簡単にいうと、おじいさんおばあさんから孫へ1,500万円までは教育資金を援助しても、贈与税はかからないのです。

市川さんが、今後2人のお子様の教育資金を貯蓄していくためには、相当な努力が必要です。しかし、仮に雄一様すみれ様のご両親のどなたかが孫への贈与を快諾していただけたらどうでしょうか。浮いたお金を住宅関連費などに回すことだってできます。贈与する側にとっても孫の教育資金を自分が出したという満足感とともに、将来の相続税対策になる可能性だってあるのです。実際に息子を医学部に進学させた雄一さんのお父様はどうでしょう。是非一度打診してみてはいかがでしょうか。

 

最後に

残念ながら、教育資金を貯めるなら絶対コレ!とお勧めできる商品はありません。それぞれ一長一短があるからです。大切なことは目標額を決めたら、何が何でも最後まで継続して貯金していくことです。そして継続させるためには、急な出費があっても困らない程度の貯金を別にしておくことも大切です。またちょっとした工夫ですが、保険証券や通帳などにそれぞれ何の目的のお金なのかをメモしてください。その際、このお金がないと教育ローンを利用しなければならなくなるなど、使ってはいけない理由も書き添えておくこともお勧めです。

 

 

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