家計診断Q&A

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マイホームを購入し、火災保険への加入を検討しています。
地震保険や家財保険も加入した方が良いでしょうか?


 

鈴木 暁子先生
(すずき あきこ)
プロフィール
  • 火災保険は、基本は再調達価額での契約が良いでしょう
  • 家財保険加入の場合は、明記物件に注意してください
  • 保険料と補償のバランス、保険と貯金のバランスを意識して備えましょう

高田 浩さん(仮名 32歳・会社員)のご相談

マイホームを購入したので住宅関連の保険加入を検討しています。火災保険はもちろん加入しますが、地震保険や家財保険は加入したほうが良いでしょうか。加入のポイントを教えてください。

高田 浩さん(仮名 32歳・会社員)のプロフィール

家族構成 : 本人
  妻 美里(30歳・専業主婦)
  長男 浩樹(1歳)
住宅ローン借入れ金融機関: A銀行
物件価格 : 頭金800万円、借入れ2,200万円

火災、地震、家財保険それぞれで補償される範囲が違います。
会社や商品でも違うので、情報収集・比較をしながら検討しましょう。

1.住宅ローンを借り入れた場合の火災保険加入は注意が必要です

高田さん、こんにちは。まずはマイホーム購入おめでとうございます。今後家を守る保険として火災保険の加入をご検討中とのこと。実はいろいろと注意しなければいけないことが多いのです。しっかり理解した上で加入してください。

火災保険を検討する場合、まず補償の対象を理解しましょう。高田さんの場合は持ち家の戸建住宅ですので、建物自体と家財(家電、家具、パソコン、衣服、食器などの動産)が対象となります。建物自体をカバーするのが火災保険家財をカバーするのが家財保険ですが、くくりとしては、火災保険の中に家財保険があるというイメージです。家財保険は建物の保障にセットされたりオプションとなっているのが一般的です。したがって、建物に補償をつけたからといって家財まで自動的に補償されるわけではないので気をつけてください。

ところで、高田さんのように住宅ローンを借り入れた方は火災保険について別途注意が必要です。住宅ローンを組むと、金融機関から「質権設定付き火災保険」の加入を求められることが多くあります。質権設定付き火災保険というのは、保険金がおりた場合、金融機関に優先的に支払われるものです。金融機関側にすれば、住宅ローンの返済が滞ると困るからです。金融機関から、火災保険に質権付きを求められた場合は、保険会社にその旨を伝えれば対応してもらえると思いますので、相談してみてください。


2.医補償内容を理解しないと、こんなはずじゃなかった…ということに

火災保険は、「住宅火災保険」と「住宅総合保険」が一般的ですが、補償の範囲が異なります。

【火災保険の種類による補償範囲の違い】

損害 住宅火災保険 住宅総合保険
火災
落雷
破裂・爆発
風災・ひょう・雪災
水災 ×
外来物の落下・衝突 ×
水漏れ ×
騒じょう ×
盗難 ×

また、上記のオーソドックスなタイプのほか、最近は保険会社によってリスクを細分化したり、補償の範囲を独自に広げているものもあります。自分で必要な補償を取捨選択できるのはきめ細かくて良いといえますが、逆にきちんと理解した上でないと、必要な補償も不足していたということになりかねません。ぜひ情報収集につとめてください。

最近は自然災害も多く、補償の範囲について意識する方が多くなってきたと思います。床下浸水や大雪、竜巻などのリスクは決して小さくないので、ご自宅の立地条件や周辺の地理的、気候的な要件を加味して必要な補償がカバーされるように選びましょう。パンフレットでは詳しく記載がなくても補償される内容もありますので、不明な点が具体的に「このような場合は?」と保険会社に確認することをお勧めします。

火災保険の加入においては保険金額の決め方も重要なポイントです。保険金額=住宅ローンの借入額とすれば万が一の際にも住宅ローンの返済は安心と思いがちですが、保険金額は住宅ローンの借入額ではなく、再調達価額で契約することをお勧めします。

再調達価額というのは、同じ建物を建てた場合の価格のことです。高田さんの場合は2,200万円の保険金がおりたとしても、3,000万円の家を建てることができません。基本的には再調達価額での契約をお勧めします。


3.地震保険に過度な期待はしないでください

地震保険の加入についても検討されていらっしゃるのですね。 地震保険は一般的に主契約である火災保険に付加して加入するものですが、阪神淡路大震災以来、注目度がアップしています。地震が原因による火災では地震保険でないと補償されないため、地震保険の加入を検討する方は確かに増えましたが、実は迷う方も少なくないのです。

というのも、地震保険は保険金額設定にあたり、上限が火災保険の補償額の半分とされているからです。つまり全損して上限いっぱいの保険金がおりたとしても、同じ建物は建てられません。しかし、その割に保険料は割高なのです。

【地震保険の補償】

全損 契約金額の100%(時価が限度)
半損 契約金額の50%(時価の50%が限度)
一部損 契約金額の5%(時価の5%が限度)

※契約金額は主契約である火災保険の50%が上限

地震保険というのは、そもそも同じ建物を再建することを目的としているのではなく、あくまで生活再建の一助となることを目的としている保険なのです。したがって過度な期待はしないほうが賢明です。

ところで、地震保険は都道府県によってリスク度合いが異なることから、都道府県ごとに保険料が違います。また、地震リスクが高まっていることを受けた改正により、平成26年7月から(まもなくです)保険料が上がります

<財務省HP>
http://www.mof.go.jp/financial_system/earthquake_insurance/jisin.htm#4

一方で、耐震・免震性能に応じた割引制度も見直され、割引が大きくなるケースも増えます。ただし割引の適用を受けるには必要な書類などがあるため、地震保険加入の際は保険会社に確認してください。


4.家財保険加入は保険料に余裕があれば

家財保険は、基本的に「保険証に記載された建物内にあるもの」が補償の対象です。保険会社によって補償内容や保険料もまちまち(保険金額も再調達金額を補償してくれるものや再調達金額の何パーセントが上限というものなど)なので、事前に比較検討されることをお勧めします。

なお、火災保険のところで住宅ローンを借り入れている場合、質権設定の必要がある場合もあると申し上げましたが、家財保険については住宅ローンとは関係ないところですので、支払われた保険金は契約者が受け取ることができます。

家財保険で特に注意していただきたいのは「明記物件」です。明記物件というのは、別途契約時に申込みに明記することで補償の対象となるもので、明記物件に該当するものは記載がないと一切補償されません

ちなみに以下のようなものがあります。

  • 自動車
  • 通貨、預金通帳、有価証券、印紙、切手など
    (※ただしこれらは契約書に記載の建物内での盗難損害に限る)
  • 1個または1組の価額が30万円を超える貴金属、宝石、書画、骨とう、彫刻物その他の美術品など
  • 原稿、設計書、図案、帳簿など

明記物件は比較的高価なものや、重要なものが該当しているので、記載漏れがないか十分確認してください。ただし価額の証明資料などがない場合は引受けしてもらえないこともあります。このあたりは細かい話になってくるので、必ず保険会社に確認してください。

さらに明記物件は補償の上限が一点につき100万円というのが一般的です。もしそれ以上の補償を望まれるのであれば、別途動産の保険などに加入の必要があります。

家財保険は火災以外による損害もカバーされます。たとえば落雷によりパソコンが故障した場合などです(実は私も一度あるのです)。また火災などで家財や衣類などの大半が焼失すると再調達するのに平均的な家庭でも1,000万円以上費用がかかるといわれていますので、保険料支払いに余裕があれば加入をお勧めします。


5.最後に

生命保険同様、火災保険も保険料と補償のバランスが重要です。過度な補償は不要ですが、再調達できないと意味がないものも多いので、中途半端な保険加入は避けたいものです。ただし、損害保険は保険事故が起きなければ掛捨てとなりますので、何でも保険まかせにするのではなく、緊急時(火災による引っ越し、家賃、日用品、衣類などの準備など)に引き出せる現金も必要です。高田さんはまだ30代前半ですし、お子様も小さい今は貯金もしやすい時期です。できれば手取りの2割は貯金に回せるようにすることも重要です。


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