家計診断Q&A

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来店型保険ショップで医療保険の相談をしたら余計悩む結果になりました

今回、回答いただく先生は…
 

宮塚 達夫先生
(みやつか たつお)
プロフィール
  • 来店型保険ショップの実情を把握しましょう
  • 提案の背景を理解しておきましょう
  • 本当に必要な保障を決めましょう

水口 舞歌 (仮名 26歳 会社員)

医療保険に入ろうと思っています。保険会社の営業職員だとしつこく契約を迫られそうな気がして、最近よく目にする来店型保険ショップに相談に行ってみました。念のため3店舗に相談してみたところ、主契約の保障内容はほとんど同じなのですが、特約が微妙に違う保険を3店舗それぞれから勧められてしまい、余計悩む結果となってしまいました。ちなみに勧められた保険は3店舗とも取り扱っている保険会社のものでした。
どうしたらいいのでしょうか。アドバイスをお願いします。

水口 舞歌 (仮名 26歳 会社員)さんのプロフィール

家族構成 : 本人(26歳 会社員) 独身

提案された商品に大きな差は無いはず。
詳しくなればネットで加入する方法も。

来店型保険ショップとは

最近、駅前や繁華街、ショッピングセンターなどでよく見かける来店型保険ショップ。その最大の特徴は、数ある保険会社の商品の中から、お客様ひとりひとりにピッタリな保険を公平な目で選んでくれることにあります。相談テーブルに座ると、名前、生年月日はもちろん、家族構成・職業・収入や保険に対するニーズなどを細かく聞かれます。この詳細なヒアリングがあるからこそ、ひとりひとりに最適な保険を提供することができるという説明をされるはずです。

来店型保険ショップは保険代理店

ではなぜ今回水口さんは、同じような保障内容でありながら、違う保険を勧められたのでしょうか。

その理由は来店型保険ショップの収入構造にあるのです。来店型保険ショップは保険代理店であり、保険を売ると当然のことながら保険会社から手数料を貰えます。しかし同じ月々1万円の保険料の保険でも、下記のような要件で、保険会社から貰える手数料はかなり違ってくるのが現実なのです。

<手数料率の違いを産む要素>

①商品ごとの違い

そもそも保険商品には各保険会社が予想する収益率があり、収益率が高い商品は手数料率も高く設定されます。死亡保障でいえば、いつかは必ず保険金を払わなければならず、解約されても返戻金を払わなければならない終身保険よりも、満期を1日でも過ぎれば1銭も払わないで済む定期保険の手数料を高く設定しているのが一般的です。

②保険会社の戦略やキャンペーン

各保険会社にはそれぞれ売上目標があり、この時期はこの商品を爆発的に売りたいという意図から、いわゆるキャンペーンを実施することがよくあります。 同じ商品でも、一時的に高い手数料率を設定することがあるのです。

③営業成績の差による代理店ごとのインセンティブ

同じ保険料の商品を同じ数だけ販売しても、過去の実績によって代理店の貰える手数料が違ってきます。なぜでしょうか。保険会社は自社の保険商品をいっぱい販売してくれた代理店にアメを配る代わりに、手数料率アップという人参をぶら下げています。同じ会社の商品を数多く販売すればするほど、その会社から貰える手数料率が増えていくのです。ものすごく優秀な代理店は数名で海外旅行に招待されることだってあるのです。

つまりお客様にとって同じような商品なら、それぞれの保険ショップにとって最も手数料が高く儲かる商品を販売しようとするのです。商売なのだから仕方ありません。積極的に勧める商品が違ってくる最大の理由はここにあるのです。

来店型保険ショップの提案

前述したように、来店型保険ショップの営業手法の特徴はオープニングのヒアリングにあります。もちろん最適な保険選びをするために必要なのですが、実はもうひとつ重要なことが隠れています。保険代理店に限ったことではなく、あらゆる営業現場で共通することですが、詳細なヒアリングによってお客様が商品を購入しない理由を消すことができるのです。

例えば、月々これだけの収入があって、毎月これだけ貯金をして、毎月のお小遣いがいくらあると判っていれば、「こんなに保険料を払えない」と言われても、そんなことはないでしょうと論理的に説得することができます。水口さんから「入院日額はこんなに必要ない」と言われても、家族構成を詳しくヒアリングしておけば、入院すると看病にくるお母さんに面倒かけてその上散財させてしまうことになるからやっぱりこの位の保障は必要だ、などといったトークで切り返すこともできるのです。

そもそも保険というのは目に見えない商品なので、本当に必要な保障は何なのか判りづらいのが特徴です。冷蔵庫がないと生鮮品などは長期保存できなくなり生活に支障を来しますが、保険に加入していなくても日常生活に何の不便もありません。つまりニーズが顕在化していません。そこで、営業現場ではお客様の見えないニーズを引き出すことが重要になってきます。

よくある手法が、自分の身近な人が大病を患ったのだが、保険に入っていなかったから、こんな悲惨な目にあってしまったというトークです。第三者の事例を話すことによって、客観的な立場からお客様に疑似体験をさせているのです。過去に入院した人がこれだけ費用がかかったという資料を見せるのもその一例です。目や耳で実際の保険ニーズを喚起させようとしているのです。

こんなことやあんなことが起きても、この保険に入ってこの特約をつけておけば安心だとお客様に思ってもらえば、納得して契約いただけます。代理店にとっては、特約が増えれば増える分だけ保険料も上がり、手数料も増えます。

最後は自分で決める

ここまで読むと、来店型保険ショップは悪いように思われてしまいますが、決してそのようなことはありません。似たような商品の中では、各ショップの事情が加味された商品が提案されてくるだけで、お客様のニーズに合った保険を勧めていることは間違いないのです。この点において保険会社の直属営業職員の場合、絶対に他社の商品を勧めてくることはないので、提案内容の幅が広がります。

現在販売されている医療保険で、来店型保険ショップが勧めるような商品に悪い商品はありません。要は本当に必要な保障は何なのか、どうしても付けたい特約は何なのかを自分で決めることです。3店舗に相談した水口さんは、保障内容に結構詳しくなったはずです。後は保険料なのか、保障内容なのか、支払期間なのか、何を最優先して決めるのか自分で順位をつけて決めれば大丈夫です。

また別の方法として、保障内容に詳しくなった水口さんには、今回提案された保障と同じような保険に、ネットで加入する方法もあります。きっと保険料を安くすることができるはずです。

ちなみに現在医学の進歩はめざましいものがあり、今回選んだ保険の保障内容が10年20年先に有効であるかどうかは分かりません。ひょっとすると、すべての病気が飲み薬だけで完治する時代がやってくるかもしれません。そうなったら入院保障なんて必要ないですよね。
どの保険に加入するかももちろん大切ですが、加入した後定期的にメンテナンスをしていくことが一番重要なのです。

おまけ

保険の相談をするときは、できるだけCFPかMDRTの人に相談することをお勧めします。CFP、MDRTって何でしょうか。CFPはファイナンシャルプランナーの上位資格で、資格保持者はそれなりの勉強をしています。またMDRTは保険の営業成績優秀者だけが名乗る権利がある名称です。会員になると、いずれも名刺に会員であることやロゴマークを記載することが許可され、資格があるのに記載しない営業職員はまずいないので、容易に判断できます。お店の人に直接聞いてみるのもいいでしょう。

何故CFP、MDRTに相談した方がいいのでしょうか?少し前までは、保険の営業といえば義理・人情・プレゼント(業界ではGNPと言われています)によって成績を上げる人が多かったのですが、少しずつ変わってきました。個人で加入する保険には所得税、相続税や健康保険制度などの知識が不可欠ですが、かなり勉強しないと様々なシーンに適切なアドバイスをすることはできません。そういった意味で、特にMDRTの有資格者は数多くの案件をこなしているのでお勧めなのです。また営業成績がいいということは、高収入も得ていますので、離職率が低く、長く付き合えるというメリットもあります。

 

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