家計診断Q&A

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自宅を購入すると、国からお金がもらえると聞きましたが、本当ですか?

今回、回答いただく先生は…
 

村井 英一先生
(むらい えいいち)
プロフィール
  • 自宅の購入のためのいろいろな優遇策がありますので、よく確認しましょう。
  • いずれも期間限定で、制度がたびたび変わりますので、注意してください。
  • ご家族のライフプランを踏まえて、ご自宅の購入を検討しましょう。

北尾 明子さん(仮名 31歳 パート主婦)のご相談

友人から、「マイホームを購入すると、国からお金がもらえる」と聞きました。当面は、自宅の購入は考えていなかったのですが、お金をもらえる期間が来年の1月までだそうです。
いずれ購入するつもりなら、早い方が良いと思いますが、実際どれぐらいもらえるものなのでしょうか?

北尾 明子さん(仮名)のプロフィール

家族構成 : 本人:(31歳 パート主婦)
夫:(31歳 会社員)
長男(3歳)
長女(2歳)

期間限定の給付金やポイントで還元、減税など、
自宅購入のタイミングに合わせてできるだけ活用しましょう。

「すまい給付金」は 10〜30万円が支給されます。

北尾様、こんにちは。自宅の購入はまだ先のことでよいと思っていても、国からお金をもらえ、しかもそれが近いうちに終わるとなれば、心が動きますね。確かに、お友達から聞かれたように、自宅購入にあたって国からお金がもらえる制度があり、それは期間限定となっています。ただ、自宅購入のための優遇策はいろいろなものがあり、今回聞かれた話はいくつかの制度を混同されているようです。優遇策を整理して確認し、それが本当にお得なのかを考えてみましょう。

まず、「自宅を購入すると国からお金がもらえる」制度としては「すまい給付金」があります。消費税が8%に引き上げとなったのを機に設けられた、自宅購入の促進策です。もらえる金額は、

給付額=給付基礎額×登記簿の持分割合

となっています。夫婦二人で購入する場合などは、持分割合に基づいてそれぞれが申請をします。給付基礎額は収入によって異なり、下記のようになっています。

年収の目安 都道府県民税の所得割額 給付基礎額
425万円以下 6.89万円以下 30万円
425万円超 475万円以下 6.89万円超 8.39万円以下 20万円
475万円超 510万円以下 8.39万円超 9.38万円以下 10万円

実際には、都道府県民税の所得割額によって給付基礎額が決まります。都道府県民税の所得割額は、年収から、税金の計算の対象とはならない控除額を差し引いた後の金額をもとに決まります。家族状況などによっても異なります。表の左側の「年収の目安」は、北尾様のようなご家族の場合(扶養の妻と中学生以下の子供)での年収による“目安”です。ご自身の「都道府県民税の所得割額」は、お住まいの市区町村の税務課で「課税証明書」を取ると確認できます。

平成29年4月にまた消費税が引き上げられる予定になっていますが、消費税10%が適用された物件については、さらに給付金の金額が大きくなります。(「年収の目安」は上記と同じ条件)

年収の目安 都道府県民税の所得割額 給付基礎額
450万円以下 7.60万円以下 50万円
450万円超 525万円以下 7.60万円超 9.79万円以下 40万円
525万円超 600万円以下 9.79万円超 11.90万円以下 30万円
600万円超 675万円以下 11.90万円超 14.06万円以下 20万円
675万円超 775万円以下 14.06万円超 17.26万円以下 10万円

この制度は、平成31年6月までとなっています。詳しい内容やお問合せは【すまい給付金事務局】の公式サイトhttp://sumai-kyufu.jp/をご確認ください。

「省エネ住宅ポイント」では、商品券などがもらえます。

来年の1月まで」というのは、「省エネ住宅ポイント」のことでしょう。これは、省エネの機能がある自宅を新築・購入やリフォームをするとポイントが付与され、それを商品券や各地の特産品などに交換できる制度です。ポイントを追加工事などの費用に充当することもできます。もらえるポイントは、新築・購入の場合は30万ポイント(約30万円分)で、リフォーム工事の場合は、その内容で異なります。ポイントの付与は省エネの機能がある住宅が対象となっており、「一次エネルギー消費量等級5の住宅」など、いくつかの基準があります。詳細については、住宅販売業者やメーカーの担当者に確認するとよいでしょう。申請も業者などを通じて行うことができます。

申請は平成28年1月15日までとなっていますが、工事の着工は同年3月末までですので、新築の場合などは建築契約を結んだ段階で申請するとよいでしょう。ただし、予算の上限に達した時点で終了となります。進捗状況は「省エネ住宅ポイント」の公式サイトhttp://shoenejutaku-points.jp/で確認できます。

住宅ローン控除でもお金が振り込まれてきます。住宅ローン控除は、自宅の購入でローンを組んだ場合に、所得税が少なくなる制度です。通常、所得税は毎月のお給料から天引きで引かれます。住宅ローンを組んだ翌年に確定申告をすると、減税される分が後日、銀行口座に振り込まれます。一度確定申告をしておくと、翌年からは年末調整で手続きされますので、毎年12月の給料と一緒に減税分が戻ります。

減税されるのは、年末の住宅ローンの残高の1%分です。それが10年間続きます。ただし、減税額には上限があります。通常の住宅の場合は最大40万円、省エネ住宅などは最大50万円です。また、国へ支払う所得税が減税となるわけですので、1年間に払った所得税の金額までとなります。(一部、住民税を差し引くことができます。)

この制度は、平成31年6月までに入居した自宅の住宅ローンに使えます。今まで何度も対象額を変えて適用されてきましたが、今のところはこの期間までの限定となっています。適用されるには、細かい条件がありますので、最寄りの税務署などでご確認ください。

優遇策にこだわらずに、ご自宅の購入のタイミングを考えましょう。

国からお金がもらえる給付金、払った所得税が戻ってくる減税、商品券に交換できるポイントと、住宅購入を促す制度はいくつもあります。これらの制度に合わせてうまく申請すれば、メリットはかなり大きなものとなります。すべて合わせれば、数百万円もお得になります。

ただ、自宅の購入は数千万円もの買い物です。住宅ローンの返済では、毎年100万円以上もの支払いが20〜30年も続くことになります。もし、住宅ローンの返済に行き詰ると、場合によっては自宅が差し押さえられ、手放さなければならなくなる可能性もあります。それだけに目先の損得にとらわれずに、無理のない資金計画を立てる必要があります。

特に、お子様の教育費がかかる時期にも無理なく返済が続けられるかなど、ご家族の状況を踏まえて、ご自宅の購入を判断してください。また、将来金利が上昇しても対応できるかなども注意したい点です。まずは、無理なく返済が続けられることが、住宅購入にとって最も大切な要素となります。

もし、十分な頭金が用意できていないのなら、状況が整うまで待つことも必要です。たとえ、その時には優遇策が終了してしまうとしても、それで安心してローンが組めるようになるのであれば、それがベストタイミングです。

もちろん、今が住宅購入の良いタイミングだと判断されたら、あるいはすでに準備を進めているのなら、できるだけ優遇策を活用できるようにしたいものです。

住宅購入を促進するための優遇策は、景気状況などでたびたび変わります。一度終了したものが、翌年にさらに拡充して復活することも少なくありません。お得な制度はどのようなものがあるか、常に確認をしながらも、ご家族の状況を踏まえて、ご自宅の購入計画を検討してみてください。

 

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