家計診断Q&A

家計診断Q&A

数年内に結婚しようと思ってます。
結婚資金はどうすればしっかり貯められますか?

今回、回答いただく先生は…
 

鈴木 暁子先生
(すずき あきこ)
プロフィール
  • 使った残りではなく、使う前に貯蓄分を先取りしましょう
  • 預け入れ先も吟味しましょう
  • 自分の消費傾向を見直して、使途不明、無駄遣いを減らしましょう
  • 使う時期、目標額がわかると貯蓄ペースが見えてきます

中谷沙織さん(仮名 27歳・会社員)のご相談

入社5年目の会社員です。現在結婚を前提に交際中の相手がいます。ただ、今はお互いに仕事を頑張りたいと思っているので、結婚は30歳くらいでと考えており、それまでに結婚資金を貯めていこうと話しています。
私自身は、社会人になってから毎月少しずつでも貯蓄をするようにしていますが、貯蓄のペースに波があり思ったように増えません。ちゃんと貯められるコツを教えてください。

ご相談者のプロフィール

家族構成
家族 年齢 職業 本人収入(手取り) その他
本人 27歳 会社員 約260万円
(月:約17万円、ボーナス:約56万円)
貯蓄額:約80万円
一般財形貯蓄:1万円/月
貯蓄:5,000円〜2万円程度/月
住居:実家で親と同居 家に2万円入れている

給与天引きや自動積み立てで貯蓄の仕組み化を。
ひと月のお小遣いの上限を決める事も大事。

1.貯まるしくみを作りましょう。

中谷さん、こんにちは。仕事に結婚と、充実した日々を過ごされていますね。
社会人になった時から少しずつでも貯蓄をする習慣をつけられたのは素晴らしいことです。
社会人になりたての頃はそれほどお給料が多いわけでもないのに、いろいろ物入りとなるので使い切ってしまう人も多いのです。でも最初が肝心なので、本来であれば沙織さんのように習慣づけていただきたいのです。また、家に2万円を入れていることは、沙織さんが自立をしていく自覚ができている証拠といえるでしょう。

このように貯めることを意識できている人は、ポイントを押さえれば確実に貯蓄を殖やしていくことができます。そのポイントとは「しくみを作る」ことです。

貯蓄のペースに波があるというのは、月末に余った金額によるからですよね。使った残りを貯蓄するというスタイルだと、使うお金より貯蓄の優先度が下がるためなかなか貯まりにくいのです。本気で貯めようと思うなら、使う前に貯蓄分を先取りしてしまうことです。現在、会社で財形貯蓄をされていますね。お給料から天引きされるので、おそらく「毎月貯蓄をしている」という意識がそれほどないのでは?実はこの天引きが、まさに先取り貯蓄のしくみなのです。
手間をかけず、無意識のうちに勝手に貯まっている」というしくみを作ってしまえば、ストレスなく貯めることができます。財形貯蓄のほか、金融機関でも積立預金ができる商品がありますのでメインバンクを中心に確認してみてください。

2.商品を賢く選択しましょう

結婚資金を貯める期間は2年以上あります。これまでも金利は低かったですが、マイナス金利の導入以降はさらに低金利になりました。この程度ではどこに預けても同じと思うかもしれませんが、わずかな差でもしっかり見極めることは、今後の貯蓄に対する知識や情報量が違ってきます。ぜひこの機会にいろいろな金融商品の特長をチェックしてみてください。
@金利 A金利タイプ B期間 C解約時のペナルティ などを比較すると良いでしょう。

たとえば金利タイプは単利より複利のほうがオトクです。受け取る利息を元本に組み入れるので、元本自体が大きく育ち、それにつく利息も大きくなっていくからです。
ちなみに定期預金と名のつくものでも、一般の定期預金(スーパー定期)のほか、期日指定定期預金といって、自分で満期を指定できるという商品もあります。こちらは預け入れから1年据え置けば満期日を自由に設定でき、ペナルティなしで引き出せます。
期日指定定期は複利タイプで最長預入期間が3年間。一方複利タイプのスーパー定期は預け入れ期間が3年から5年なので、結婚の時期によっては途中解約になるかもしれません。
このように目的、使う時期などがわかっていると商品選択もしやすいと思います。

また、変動金利型10年物個人向け国債も選択肢のひとつになると思います。現在、定期預金の金利は0.01%程度しかつきませんが、変動金利型10年物個人向け国債は0.05%つきます。実は個人向け国債には最低保証金利というものがあり、それが0.05%です。マイナス金利で通常の預貯蓄金利が一段と下がった今、最低保証金利は魅力といえます。また10年物といっても、1年経過すれば途中解約でもペナルティはありません。さらに変動金利ですので、世の中の金利が上がるようになれば、10年物個人向け国債の金利も上がっていきます。

なお、個人向け国債は3年物、5年物もあります。これらも0.05%の最低保証金利はありますが、こちらは固定金利ですので、今後世の中の金利が上昇しても購入時のまま(現在であれば0.05%)です。その意味で個人向け国債であれば10年物が良いでしょう。

もうひとつ、ネット銀行の定期預金もチェックする価値があると思います。もともとネット銀行は通常の銀行の定期預金よりも高めの金利が設定されているところが多く、以前から注目されています。マイナス金利の影響で金利の見直しはされていますが、それでも通常の銀行の金利より高めのものも多いので、ネット銀行などに抵抗がなければ検討してみても良いでしょう。

3.自分の消費傾向を見直してみましょう

よく、「どれくらい貯蓄すればいいですか」という質問を受けますが、私は、自宅通勤であれば最低給与の手取りの2割、できれば3割、一人暮らしでも最低1割、できれば2割を目指していただきたいと思っています。社会人5年目の沙織さんは、スーツや靴などもある程度保有していらっしゃると思いますので、新入社員の頃よりは必要なものも少なくなっているのではないでしょうか。その分お小遣いに余裕ができているはずなので、貯蓄にまわせる分を増やすことができませんか?

沙織さんは現在、家へ入れる分が2万円、財形貯蓄で1万円、あとは余った金額により、というペースです。ということは毎月10万円以上自由にお金を使っているということになります。もちろんしっかり働いたご褒美は悪いとは言いません。しかし結婚をしたら、たとえ共働きであったとしても1人10万円のお小遣いを予算にできる家計はそうありません。せいぜい3〜5万円程度です(お子さんができたらもっと少なくなる可能性も高いです)。
ご結婚という大きな目標があり、しっかり家計管理をしていかなくてはなりません。その意味では、お金の使い方を見直す良い時期かと思います。

それにはご自身の消費傾向を確認してみましょう。1ヵ月に使ったお金のレシートをとっておき、月末にチェックします。改めて見直した時に「これは余分な買い物だった」とか、「これは衝動買いしてしまった」など、本来必要と思われる支出以外の金額を合計してみてください。冷静に分析すると、反省すべき支出が多い人はけっこういらっしゃるのです。それを減らすだけでもその分は貯蓄に回すことができますよ。

4.目標の時期や金額を決めるとペースを決めやすくなります

さて、このように貯蓄スタイルを作っていったとしても、ゴールがないとモチベーションも上がりませんし、貯蓄ペースが妥当かがわかりません。
まず、お二人で結婚資金として、いつまでにいくらを目標とするか決めると、貯蓄の進捗度合も明確になりますし、俄然頑張る気持ちが出てくるものです。貯蓄をすることが目的ではなく、その先に良い使い方をすることがお金を生かすことにつながります。結婚資金と言っても、結婚式・披露宴、新婚旅行、新居……と物入りです。どんな式・披露宴にするのか、新婚旅行はどこへ行こうか、新居はどこにどのくらいの広さの家に住もうか…と考えると夢も膨らめば、同時に準備しなければならない金額も大きくなります。
お二人でお金のことを話し合うのは、結婚後の家計管理をしていく上でも必要なことです。スタイルさえ確立できればお金が貯まる家計を作れると思います。
幸せな将来のためにも頑張ってください!

 

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