家計診断Q&A

家計診断Q&A

消費税が10%になると住宅の購入に影響がありますか?
増税前に購入する方が良いのでしょうか?

今回、回答いただく先生は…
 

森田 和子先生
(もりた かずこ)
プロフィール
  • 消費税だけに気を取られないようにしましょう。
  • 住宅ローンを利用するなら現在の低金利は有利です。
  • すまい給付金の今後に注目しましょう。

江原高志さん(仮名 31歳)のご相談

住宅を購入しようと考えていますが、消費税の増税が気がかりです。 再延期になりましたが、消費税が10%になったら住宅の購入にはどのような影響があるのでしょうか? やはり増税前に購入するよう急いだ方がよいのでしょうか?

ご相談者のプロフィール

家族構成
家族 収入 貯蓄額
本人
31歳
会社員
約380万円 約600万円
妻 春香
31歳
会社員
約350万円
長男 康介
1歳
-

住宅価格の動きによっては増税前が必ずしも有利とは限りません。
一方、現在の低金利は住宅ローンを利用するには有利な状況です。

消費税だけに気を取られないように

こんにちは、江原さん。「何千万円もする家を買うのに消費税が増えたら大変だ!」と言う人もいますから、焦る気持ちはよくわかります。でも、ここは冷静に計算してみましょう。

住宅にも消費税はかかりますが、対象になるのは建物のみです。土地に消費税はかかりません。マンションの場合にも、建物部分に消費税が課税されます(課税事業者ではない個人や免税事業者が売り主の場合は除く)。
例えば、3200万円の住宅を購入する場合、その内訳が土地1700万円、建物1500万円であれば、現在の消費税は建物価格の8%なので120万円となります。消費税が10%になれば税額は150万円になり、30万円増えることになります。

消費税率と消費税額の例
消費税率 消費税額
8% 建物価格1500万円×8%=120万円
10%建物価格1500万円×10%=150万円

また、マイホームを購入する時には、住宅ローンの手数料や、登記費用、新居で必要になる家具や家電、引っ越し費用などの諸費用も必要になりますが、その目安は住宅価格の5〜10%です。3200万円の住宅なら160万〜320万円程度になります。諸費用の中には保険料など消費税の対象にならないものもありますが、消費税が2%アップすることでおよそ3〜6万円ほど負担増になると考えておけばよいでしょう。

確かに数十万円の差は大きいのですが、これはあくまでも住宅価格が同じであった場合の話。そもそも住宅の価格は数百万円単位で変動することも忘れてはいけません。先月まで3000万円で売り出されていたものが、今月は2800万円になっているというケースもあります。住宅価格の変動によって消費税で得られた数十万円の得が帳消しになってしまう可能性もあることは心に留めておくべきでしょう。

とはいえ、増税される前なら税負担が重くならないことは確かなので、
「どうしても欲しい物件がある」
「数年以内にマイホームを購入しなければならない事情がある」
「既に土地を保有していて近々家を建てるつもり」
などの理由があれば、増税の影響を受けないうちにマイホームを取得するのも理にかなっています。しかし、江原さんの場合はこれらの理由は当たりませんね。

住宅ローンを利用するなら金利の影響が大きい

それよりも注意を払いたいのは金利の動向です。住宅ローンは借入額が大きいほど、返済期間が長いほど金利の影響を大きく受けます。江原さんのように、若い世代が長期間で返済する住宅ローンを利用する場合には、金利の影響が大きくなります。

例えば、3000万円を35年返済で借り入れた場合を金利1%と2%で試算すると、毎月の返済額では約1万5000円、総返済額では約617万円の違いが出ます。

住宅ローン金利と返済額の例 (借入額3000万円、返済期間35年、元利均等返済の場合)
金利 1% 2%
毎月返済額(円) 84,686 99,379
年間返済額(円) 1,016,232 1,192,548
総返済額(円) 35,567,998 41,739,109

現在は、35年の全期間固定でも1%台になるほどの超低金利です。これからさらに下がる可能性もありますが、反対に上がる可能性もあります。住宅ローンを利用してマイホームを購入するなら、ぜひ金利の動向に注意してみてください。現在の低金利が住宅ローンを利用する人にとって以前よりも有利であることは確かです。

すまい給付金は物件にも条件がある

すまい給付金」をご存知でしょうか。消費税アップによる負担増を軽減するために設けられた制度です。消費税率8%で購入した場合は、収入が510万円以下の人を対象に最大30万円が、10%では775万円以下の方を対象に最大50万円が給付されます(※収入は扶養対象となる家族が専業主婦や16歳以上の子どもなど1人の場合をモデルに試算した目安の金額)。
江原さんのように共働きのご夫婦がそれぞれ住宅ローンを組む場合には、どちらにも持分に応じた金額が給付されます。当初の予定では2019年6月までとされていましたが、消費税の増税が2019年10月まで延期されたので、すまい給付金も延長されることが予想されます。まだ決定はしていないので今後の報道に注意してください。

大変お得な制度ではありますが、これを利用するには年収だけでなく住宅にも条件があります。床面積は50u以上、第三者の現場検査をうけ一定の品質が確認されることなどの条件もクリアしなければなりません。マイホームを購入すれば必ず使える制度ではないので、その物件が対象になるのかについては販売会社に確認しましょう。

共働きで、小さなお子様もいるとなれば、保育園を確保できることが住まい探しの最優先課題になりそうですね。でも、マイホームを購入するなら先のことを考えておきましょう。 子供に通わせたい小中学校を探してその校区に引越しをする人もいれば、電車通学に便利なように駅近くの住まいを探す人もいます。子育てだけをとってみても子供の成長とともに理想の環境が変わり、住むところによって教育費までも違ってきます。
税金や金利の動向にも注意を払うべきではありますが、江原家にとってベストな購入のタイミングについてもご夫婦で考えてみて下さい。家は人生で一番大きな買い物です。焦ることはありません。しっかり考えて、じっくり探してください。理想のマイホームに出会えることをお祈りしています。

 

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