家計診断Q&A

家計診断Q&A

定年まであと2年と迫っているのに、まったく貯金ができていません。
浪人中の息子の教育費も必要で、老後破産しないか心配です。

今回、回答いただく先生は…
 

村井 英一先生
(むらい えいいち)
プロフィール
  • 貯金できなかった理由がはっきりしていれば今後は改善できます。
  • 今までお勤めを続けてこられたので、老後はそれほど心配ありません。
  • とりあえずは、お子様の大学入学費用を確保しておきましょう。

上田律子さん(仮名 58歳 公務員)のご相談

もう少しで定年ですが、まったく貯金ができていません。夫は仕事が続かない上、浪費家で、今は別居しています。家庭教師や個別指導塾など、子供の教育費に月20万円ほどかかっており、同居の母に援助してもらっています。

ご相談者のプロフィール

家族構成
家族 年間収入(手取り) 現在の貯蓄額
本人
58歳
公務員
562万円 約30万円
長男
18歳
浪人中
-
母親
87歳
-
<収入>(手取り収入) (単位:円)
月給 ボーナス(1回分) 合計
ご相談者様給与 360,000 650,000 5,620,000
合計 360,000 650,000 5,620,000
支出(単位:円)
毎月の金額(1ヵ月) 臨時支出
(年間)
年間支出
1. 居住費 30,000 - 360,000
2. 食費 90,000 - 1,080,000
3. 水道光熱費 0 - 0
4. 医療費 20,000 - 240,000
5. 被服費・雑貨 5,000 - 60,000
6. 通信費 18,000 - 216,000
7. レジャー費・交際費 20,000 - 240,000
8. 小遣い 30,000 - 360,000
9. 教育費 110,000 - 1,320,000
10. 保険料 - 1,150,000 1,150,000
11. その他 20,000 - 240,000
合計 343,000 1,150,000 5,266,000
※お母様の収入と、家計への援助の金額は除いています。

貯蓄ができなかった理由を明確にして解消すれば、 老後の生活は年金や保険の満期金受け取りなどで、十分に暮らせます。

1.預貯金がほとんどない理由を考えてみましょう。

こんにちは、上田様。今までいろいろとご苦労されてきたようですね。それは今も続いているのかもしれません。しかし、もう少しの辛抱です。いずれは今までのご苦労が報われる時が来ることでしょう。
現状では預貯金がほとんどできていません。このままでは、老後破産が現実のものになってしまいます。ただ、上田様の年収で、ほとんど預貯金がないということは、何らかの理由があったと考えられます。その理由が解消できれば、老後の生活が改善することが見込まれます。まず、今まで預貯金ができなかった理由を考えてみましょう。

@ ご主人の金遣いが荒く、その支払いに追われていた。

いただいたお手紙では詳しいことはわからないのですが、今までかなりご主人が浪費してしまったようですね。

A お子様の教育費が高額。

現在、お子様の教育費が毎月20万円もかかっています。半分はお母様の援助を受けているとはいえ、かなりの負担になっています。

B 保険料の支払いが多かった。

今までいろいろな保険商品に加入しており、年115万円とかなりの保険料を払っていました。学資保険や個人年金に加入している上、一定期間ごとに給付金のある医療保険など、いずれも保険料が高いものとなっています。

2.すでに、あるいはもうすぐ改善されるものがあります。

@のご主人の金遣いに問題があったとしたのなら、すでに別居されているとのことですから、解消されたと考えられます。
Aのお子様の教育費の問題は、順調にいけばあと5年で改善される見込みです。現在は教育費がかなりかかっていますが、大学受験は今年までのこと。大学合格後も入学金、学費と今しばらくは教育費がかさみますが、それも卒業するまでのことです。お子様が大学を卒業すれば、学費の負担がなくなるだけでなく、生活費も減少します。 ただ懸念されるのは、教育費とお子様の生活費負担が、大学卒業後も変わらず続く場合のことです。最近は、卒業後も親の援助を受けるケースが増えています。今もお子様にかなりの出費をされていますので、安易な援助が続かないか心配です。現在大きな援助をしているだけに、大学卒業後はきっぱりと独立するように、親子ともども覚悟をしておく必要があります。

定年まであとわずかですので、これから大きく預貯金を増やすことはできません。しかし、公務員として長く働いてこられましたので、年金額は少なくありません。お子様が独立され、お一人で老後を過ごされることを前提に考えると、贅沢さえしなければ、生活に困る心配はないでしょう。

3.生命保険商品による貯蓄は、老後の生活を支えてくれます。

Bの保険料の支払いが多かった点は、今後はプラスに働きます。貯蓄は保険商品ですべきではない、との考え方もありますが、上田様の場合は、給与天引きや、保険料として毎月引き落とさる点が、良い方向に働いたのではないでしょうか。また、すでに払い済みとなっている保険商品もあり、合わせるとかなりの貯蓄になっています。いずれ年金や満期金が入ってくることで、老後の家計を支えてくれます。これら、保険商品によって受ける資金も考慮すると、老後の生活はそれほど悪い状況ではありません。

ただ、当面は、かなり貯蓄のない状況が続きます。お子様の学資保険は21歳満期となっていますが、大学入学時点での入学金や授業料は別途確保されていますでしょうか。もしそれがないようでしたら、合格しても進学できない事態となりかねません。学資保険を解約するなどの対策を実行する必要があります。老後よりも、当面の資金準備を確認することが優先になります。
ここさえ乗り切れば、お子様が大学卒業と同時に経済的に自立してくれれば、繰り返しになりますが、特に贅沢をしない限りは老後破産の心配はありません。

 

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