家計診断Q&A

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「ふるさと納税」ってお得なのでしょうか?

今回、回答いただく先生は…
 

村井 英一先生
(むらい えいいち)
プロフィール
  • 自治体に寄附をすると、特産品などがお礼としてもらえます。
  • 寄附をした分が減税となりますので、実質的な負担は2,000円です。
  • ふるさと納税の寄附金額には上限があります。

近藤唯さん(仮名 27歳 会社員)のご相談

寄附すると特産品がもらえるという「ふるさと納税」とは何なのでしょうか?
誰でも得をするしくみなのでしょうか?

ご相談者のプロフィール

家族構成
家族 年収
本人
27歳
会社員
360万円

自治体に寄附をすると減税となり、納税額に応じた上限の範囲内で
実質2,000円で特産品のお礼なども受けられます。

1.寄附をする人にも、自治体にもメリットがある制度です。

こんにちは、近藤様。「ふるさと納税」もかなり定着してきたようで、寄附をする人が増えてきました。特に12月は寄附をする人が多い時期ですので、身の回りでも話を聞く機会があったのかもしれませんね。

「ふるさと納税」は、地方の活性化を目的に平成20年にスタートした税金の制度です。税金には、所得税など国に払う国税や住民税など地方自治体に払う地方税などがあります。住民税は住んでいる都道府県や市区町村に払いますが、納税者が自分で選んだ任意の自治体に税金を払うことができるようにしたのが、「ふるさと納税」です。手続きとしては、選んだ自治体に住民税を払うという形ではなく、「寄附」をすることになります。そして、その寄附した分だけ今住んでいる自治体に払う住民税などが差し引かれます。結果として、選んだ自治体に納税するのと同じことになります。

この制度により、住民以外の人から寄附をしてもらうと、自治体の収入が増えるということになりました。そこで、「寄附してくれた分から、いくらかでもお礼をします」ということで、寄附してくれた人に地元の特産品などをお礼の品としてプレゼントするようになりました。自治体としては、お礼に費用がかかっても、残った金額は収入増となります。さらに、地元特産品を購入することで、地域の産業振興にもつながります。自治体にとってもメリットが大きく、各地で魅力的なお礼が相次ぐようになりました。

私たちにとっては、「寄附をする」とはいっても、その分「住民税」と「所得税」が少なくなるので、実質的な負担はありません。それで地方の特産品がもらえるとなれば、使わないのがもったいないぐらいです。実際には、減税額の上限と、2,000円の負担はありますが、うまく利用すれば、かなりの金額のプレゼントをもらうことができるのです。

2.2,000円を超える寄附金額は、減税で戻ってきます。

どのくらい減税となるのか、そして上限額はどのくらいかを、近藤様の年収を例に計算してみましょう。
近藤様が3万円のふるさと納税をしたとします。

● 所得税の減税分=(ふるさと納税額−2,000円)×所得税率(所得によって異なります)⇒近藤様の場合1,400円
● 住民税の減税分(基本分)=(ふるさと納税額−2,000円)×10%⇒同2,800円
● 住民税の減税分(特例分)=(ふるさと納税額−2,000円)×(100%−10%−所得税率)⇒同23,800円
減税額の合計⇒同1,400円+2,800円+23,800円=28,000円

ということは、実質2,000円の負担だけで、ふるさと納税のお礼の品をゲットすることができます。もらった特産品の定価がどのくらいかといえば、それは自治体によって違いますが、2,000円と比べれば、かなりのお得になるのは間違いありません。

金額もさることながら、普段なかなか手にすることがない地方の特産品を送ってもらえるわけで、その点も魅力です。最近は、自治体間の競争もあり、魅力的な商品が用意されています。ポイント制で好みのものを選べるところや、地元訪問ツアーを用意するところもあります。

手続きは簡単です。自治体のサイトや電話などで申し込みをします。振込用紙や納付書が届いたら寄附金を納めます。クレジットカードでの支払いができる自治体もあります。すると、受領書とお礼の品が送られてきます。翌年3月15日までに確定申告をすることで、所得税の減税分が戻ってきます。住民税は翌年に引かれる金額が少なくなります。 お勤めの人は、寄附先が5か所以内であれば、ワンストップ特例の申請書を提出することで、確定申告が不要になります。
総務省ふるさと納税ポータルサイトhttp://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/080430_2_kojin.html

3.今年の収入で上限金額が決まります

これだけ魅力的なふるさと納税ですが、注意したい点もあります。 まず、減税の対象となる金額には上限があります。それを超えて寄附をすると、その分はふるさと納税としてのメリットを得られません。上記の計算で金額の多い「住民税の減税分(特例分)」は、住民税の所得割額の20%までとなっていますので、そのあたりがふるさと納税の上限と考えてよいでしょう。家族状況などによっても異なりますので、一概には言えませんが、年収の0.5〜1.5%程度が目安となります。「ふるさと納税ポータルサイト」では、家族構成を基にした早見表や計算シミュレーションを設けています。自分のふるさと納税の上限額を確認してみてください。
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/faq/#q5
ここで確認した金額も、あくまでおおよその金額です。というのは、上限額を計算する基となる所得の金額は、その年の収入が対象です。つまり、年末になってみないと、正確な上限額はわからないのです。年末に寄附をする人が増えるのはこのためです。果物など、季節の商品は申し込みの時期が限られますし、人気商品は早めになくなってしまいます。前年の所得を参考にしながら、余裕をもって寄附をするのがよいでしょう。それでも収入の変動が大きい人は要注意です。

お礼の品の対象となる寄附額は、5,000円以上としているところが多くなっています。収入が少ない人はあまりメリットがありません。もちろん、納税額のない人は、そもそもふるさと納税の対象ではありません。収入のない専業主婦や住宅ローン控除で納税額のない人は、自治体に寄附をしても、得をすることはありません。

 

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