家計診断Q&A

家計診断Q&A

東京都の私立高校授業料の実質無償化が発表されました。
嬉しいのですが、気を付けておいた方がよいことがありますか?

今回、回答いただく先生は…
 

森田 和子先生
(もりた かずこ)
プロフィール
  • 授業料以外の費用負担も考慮しておきましょう。
  • 私立校の学費は学校毎に大きく違うので、事前に調べておく必要があります。
  • 入学時の貸付制度もありますが、できる限り自己資金を準備しましょう。

後藤仁美さん(仮名 38歳)のご相談

東京都の私立高校授業料の実質無償化が発表されました。私達は対象になるようなので喜んでいます。私立高校への進学を考えるなら、何か気を付けておいた方がよいことがあるのでしょうか?

ご相談者のプロフィール

家族構成
家族 収入 その他
本人
38歳
パート
90万円 長男 翔大(14歳)

41歳
会社員
550万円

私立校では授業料以外の費用が多くなりがちです。
学校による違いも大きいので、受験前に調べた上で資金計画を立てましょう。

後藤さん、ご相談ありがとうございます。発表された「私立高校授業料の実質無償化」は東京都で子育てをする人にとっては嬉しいニュースですね。家計の負担が大きく減ることになりますが、高校では授業料以外の費用も大きくなることには注意が必要です。

授業料以外の費用負担も軽くない

東京都では、私立高校に通う生徒のいる家庭のうち、世帯年収約760万円未満(目安)の世帯について、平成29年度から授業料負担を実質無償とすることを決めました。都の助成金を増額することで、国の就学支援金と合わせて計44万2000円までが支給されるようになります。後藤家も世帯年収の条件をクリアしていますので、もしも私立高校に進学することになればこの制度を使えることになるでしょう。
しかし、44万2000円は都内の私立高校の平均授業料と同じですが、これよりも高い授業料の高校も少なくありません。超えた金額は自己負担になる点には注意が必要です。反対に授業料がこの金額よりも少ない場合には、授業料と同額までになります。
そのうえ、高校に通うには授業料以外の費用もかかります。都立高校の入学金は6,000円未満ですが私立では平均25万円、施設費等その他の費用も合わせて21万円になります。高校1年生で支払う初年度納付金は平均で91万円ですから、44万2000円が支給されても自己負担は57万円になります。

都内の私立高校の学費平均額

入学金 250,026円
授業料 448,862円
施設費 45,822円
その他 167,447円
初年度納付金 912,156円

※出典:東京都「平成29年度 都内私立高等学校(全日制)の学費の状況」

また、学校によって学費が大きく違うのも私立校の特徴です。高いところでは初年度納付金が170万円を超えますが、低いところでは70万円以下です。受験校を決める前に必ず学費を調べておきましょう。
さらに、制服やジャージなど、学校生活に必要で購入しなければならない物の値段一つ一つが、私立校では高めになる傾向があります。友達同士の付き合いにもお金がかかるのでお小遣いの金額を増やさざるを得ないという話もしばしば聞かれます。無償化されても、公立校と同じ負担で通えるとは考えない方が良いでしょう。

入学時の貸付制度も増額される

東京都では、私立高校に入学する生徒の保護者に、無利子で入学支度金を貸し付ける「私立高等学校等入学支度金」の貸付事業を実施しています(※)。現在は20万円ですが、平成29年度からは25万円に増額される予定です。進学費用が不足する時にはとても助かる制度ですが、こちらは貸付なので後から返済しなければなりません。

高校も何かとお金がかかりますが、大学進学ではさらに大きな費用が必要になります。少なくとも高校までは、できる限り教育費を借りずに、大学のための貯蓄も取り崩すことなく、準備したいところです。高校受験に向けて塾代がかさみがちになり、家計のやりくりが大変になるご家庭も少なくありません。

住宅ローンの借り換えや生命保険の見直し、格安スマホの利用などは、手間がかかりますが一度手続きをしてしまえば、その後はずっと継続的な節約ができます。家計の見直しの中でも効果の高いものなので、検討してみましょう。

私立校に入学する際には数十万円が必要になるので、計画的に準備しておくことをおすすめします。  

(※学校により、私立高等学校等入学支度金のない場合も、また金額が異なる場合もあるので、学校に確認してください。)

 

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