家計診断Q&A

家計診断Q&A

子どもが病気がちで会社を辞め、パートに。今のままでは思う様に貯金ができません。

今回、回答いただく先生は…
 
 

鈴木 暁子先生
(すずき あきこ)
プロフィール
  • 育児と仕事の両立は長い目でみましょう
  • キャリアプランを見直してみましょう
  • 使える制度を使って自分の価値を高めましょう

  富田茜さん(仮名 30歳 パート)のご相談

子どもが毎月のように病気になり、そのたびパートを休んでいます。 パートを休むことで予定していた収入が得られなくなり、貯金ができません。 パート先近くに引っ越すか時給の高いパート先に替えるなど、何か手を打った方が良いのでしょうか?

富田茜さん(仮名 30歳・パート)のプロフィール

家族構成
家族 手取り
本人
30歳
パート
約50万円
夫 和也
33歳
会社員
約350万円
第1子
1歳半
-
    その他:出産後に職場復帰したが、子どもが病気がちのため退職。
    その後パートをしている。現在は妻の実家の近くに住み、パートの日は
    自分の母親が孫を預かってくれるが、病気の時はパートを休んだり、早退せざるを得ない。

収入を増やすにはパートでは限界が。 今は子育てを優先しながら、将来に備えた準備をしましょう。

1.育児と仕事の両立は長い目で考えましょう

富田さん、こんにちは。出産後は職場復帰して頑張っていらっしゃいましたが、お子様が病気がちのため、やむなく退職されパートに切り替えたとのこと。残念ではありますが、特にお子様が乳幼児の場合、どこのご家庭でもお子様優先にせざるを得ないものです。

パート先近くに引っ越すとか、時給の高いパートに切り替えることも検討されていらっしゃるようですが、現状を考えるとあまり現実的でないように思います。
そもそも引っ越しにはかなりのお金がかかります。また、仮に引っ越しをしたとして、お子様が病気になれば、やはりパートを休む、あるいは早退するなどで病院に連れて行くことに変わりはありませんよね。

またご実家から遠くになってしまうと、今度はご実家に預けに行くのが大変です。
働きたいママにとって、実家のお母様のサポートほど強い味方はありません。この先も育児は続きます。病気だけでなく、学習環境や学校行事など、仕事との両立に悩むことはお子様の成長とともにもっと多くなります。現状だけで判断するのは賢明とはいえません。
望んでも叶わないご家庭が多い中、せっかく茜さんのお母様のサポートをいただいているのであれば、状況が許される限り、その協力はありがたく享受させてもらってはいかがかと思います。

2.キャリアプランを見直してみましょう

女性の場合、家族構成やご実家のサポート状況、居住地の子育て環境などで、仕事と育児の両立は大きく左右されます。幸い茜さんの場合、ご実家のサポートが期待できること、茜さん自身が就業意欲のあることから、私はむしろ長い目で見て、正規雇用や契約社員を目指すのが良いのではと思います。

今後お子様が成長して身体も丈夫になり手が離れるようになれば、おそらくもっと働きたい、収入を得たいと思うようになるでしょう。その場合、パートですとどうしても限界があります。いわゆる「社会保険の壁」です。現在、
(1)週20時間以上労働
(2)年収106万円(月額8.8万円以上)
(3)勤務期間1年以上
(4)従業員501人以上の企業
4つの条件を満たす職場で働く場合は年収106万円以上で、それ以外の職場で働く場合は年収130万円以上で社会保険に加入義務が発生します。

仮に130万円の壁を超えて社会保険料を納めるようになると、たとえば年収129万円で社会保険料負担がないケースより手取りが減ります。手取りベースで130万円程度となるには年収ベースで150〜160万円は必要です。時給1,000円のパートだったとしても150万円を稼ぐには年間1,500時間、週にして25〜30時間程度の労働となります。ほぼフルタイムで、正規雇用や契約社員とほとんど変わりません。一方、それ以上収入を上げたくても、労働時間を増やすのは物理的に難しいので時給アップを目指すことになりますが、同じ職場のパートでは期待できませんし、時給の高い仕事に就くにはそれなりの能力が求められます。

茜さんは現在30歳ですので、まだセカンドキャリアを作るチャンスはあります。逆に35歳を過ぎると、専門的な業務や経験が必要とされる分野でないと、一般事務的な分野では採用がされにくくなる可能性が高くなります。今、無理に育児とパートの両立に悩むより、長い目で見たキャリアプランを検討するのも一つの選択肢になるかと思います。

3.自分の価値を高めましょう

茜さんは、在職中は雇用保険に加入されていたので先日まで失業給付をもらっていたと思います。退職されて4か月経ち、現在は雇用保険に加入していませんが、実は雇用保険で使える制度がまだあるのです。

一般教育訓練給付金」といって、厚生労働大臣が専門的・実践的な教育訓練として指定した専門実践教育訓練を受けた場合に、教育訓練施設に支払った教育訓練経費(税込みで20,005円超)の20%に相当する額(10万円を上限とする)を支給してもらえる制度があります。離職者の場合は、「離職から受講開始日までが1年以内で、雇用保険加入期間が3年以上(初回に限り1年以上)の人が対象となりますが、茜さんはこの要件を満たしています。

厚生労働大臣が専門的・実践的…というように堅苦しい定義になっていますが、簿記検定、情報処理技術者資格、訪問介護員、社会保険労務士資格、語学検定など多種多様な講座が対象となっています。以下のサイトで検索すると良いでしょう。
http://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/T_M_kensaku (教育訓練講座検索システム)

もちろん受講開始だけでは支給されず、受講修了の上、ハローワークで所定の支給申請手続きは必要です。

産休・育休をとっている方の中にも「今は職場復帰するつもりだけれど、子どもが小さいと予定どおりにいくかはわからない。もし退職せざるを得ないことになっても、育児が落ち着いたら良いタイミングで社会復帰したい。その時のために育休中に力をつけておきたい」とおっしゃる方は多いです。また、都道府県でも職業訓練などの募集がされていますので、このようなものにもアンテナを張っておきましょう。

現状では貯金が増えるペースが遅いかもしれませんが、この時期を思い切ってご自身の価値を高める期間と考え、勉強に集中あるいは専念する。そして契約社員以上(できれば正規雇用)の復帰を目指すこともご夫婦で話し合ってみてはいかがでしょう。キャリアプランを変えることで家計も大きく変わります。
同じ女性として心から応援します。頑張ってください。

 

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