家計診断Q&A

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年末調整で戻ってくるお金がありますが、
どのような仕組みで何が戻っているのでしょうか?

今回、回答いただく先生は…
 
 

森田 和子先生
(もりた かずこ)
プロフィール
  • 年末調整と源泉徴収の仕組みを理解しましょう
  • さまざまな控除の中で自分が使えるものを把握しましょう
  • 年末調整で手続きできない場合には確定申告をしましょう

  川端拓也さん(仮名 24歳 会社員)のご相談

12月の給料が少し増えるのは、生命保険に加入しているからだとは聞いているのですが、年末調整が今一つよくわかりません。どのような仕組みなのか、生命保険の他にも年末調整でお金が戻ってくるものがあるのかを教えてください。

川端拓也さん(仮名)のプロフィール

家族構成
家族 年収
本人
24歳
会社員
独身(一人暮らし)
年収 330万円

保険料を支払っている場合など所得控除を年末調整で再計算した結果、 毎月天引きされた源泉徴収の税額が多い場合に戻してもらえます。

こんにちは、川端さん。ご相談ありがとうございます。税金はとても難しく感じられますが、自分に関係することについてその都度確認するようにすれば、理解できるようになってくると思います。年末調整がわかると、保険の入り方などが変わるかもしれません。この機会にしっかりと確認しておきましょう。

1.年末調整とは?

所得税は一年間の所得について課税されるものです。本来は年末にならなければその年の正確な所得はわかりませんが、会社員や公務員などは毎月の給与からあらかじめ税金が天引きされています。これは年間の見込み所得額にかかる税金を計算し、分割で先払いしているためです。勤務先は天引きした税金を国や自治体に納めており、これが源泉徴収と呼ばれる仕組みです。
実際に支払うべき所得税の金額と、源泉徴収された金額に違いがあれば、年末に精算します。これが年末調整で、源泉徴収された金額が多い場合には、12月や1月の給与の支払い時に合わせて戻してもらえる場合が多いようです。 逆に、源泉徴収された金額が納めるべき税額よりも少ない場合には追加で税金を支払う必要があるので、給与から不足分が差し引かれます。扶養していた家族を扶養しなくなった場合などですが、年末調整で必ずお金が戻るとは限らないことは覚えておくとよいでしょう。

2.生命保険料控除で戻ってくる金額は?

所得税は一年間の所得にかかる税金ですが、給与などの収入額にそのまま課税されるわけではありません。さまざまな「控除」を収入から差し引くことができます。納税者本人に認められる基礎控除や、扶養する親族がいる場合に認められる控除、その年に支払った社会保険料の控除などがあります。一般的にこれらの控除は源泉徴収の金額を計算する際に差し引かれています。

しかし、月々の源泉徴収では引かれない控除もあります。生命保険料控除もその一つです。基礎控除や社会保険料控除に加えて生命保険料控除も差し引けば、さらに課税所得が減るので、そのぶん所得税も少なくなります。年末調整でこの計算をするので、お金が戻ってくることになります。

具体的な例で考えてみましょう。例えば、生命保険に加入して年間8万円の保険料(※1)を支払うと、生命保険料控除として4万円が認められます。しかし、4万円が戻ってくるわけではありません。4万円が所得から差し引かれて所得税が再計算されます。所得税率が5%の人であれば2,000円が、10%の人であれば4,000円が戻ってくる可能性があります。所得税率は所得が多いほど高くなるので、戻される金額も大きくなります。(※2)
また、生命保険料控除は、遺族保障の保険料、介護・医療保障の保険料、個人年金の保険料それぞれに4万円までの控除が認められるので、最大の控除額は12万円となります。

※1 平成24年1月1日以後に契約した新契約の生命保険の場合。 生命保険料控除の対象になる生命保険には、保険金受取人などに条件があります。
※2 税額は様々な条件によって変わるので試算額は目安とお考え下さい。

3.年末調整に間に合わなければ確定申告

年末調整で手続きできる控除は他にもあります。地震保険の保険料を支払っている場合や、給与天引きでない個人型確定拠出年金に加入している場合、扶養親族が増えた場合などにも使える控除があります。住宅ローンを返済中の人が使える控除もありますが、年末調整でできるのは2回目以降となり、初回は確定申告が必要です。
なお、医療費負担が大きい場合に利用する医療費控除は年末調整では手続きができず、確定申告が必要になります。

4.年末調整で手続きができる主な控除

生命保険料控除(※3) 新生命保険料控除 遺族保障等の保険料を支払った場合
介護医療保険料控除 介護保障、医療保障の保険料を支払った場合
新個人年金保険料控除 老後保障等の保険料を支払った場合
地震保険料控除 地震保険の保険料を支払った場合
小規模企業共済等掛金控除 給与天引きでない個人型確定拠出年金(イデコ)の掛け金を支払った場合
住宅借入金等特別控除 住宅ローンを返済している場合(初回の手続きは確定申告が必要)

※3 平成23年以前の契約は、生命保険料控除の取扱いが異なります。

年末調整での手続きができなかった場合には、確定申告をすることで納めすぎた税金があれば還付してもらえます。確定申告の期限を過ぎてしまっても、5年間はさかのぼって申告することができます。この機会に自分が使える控除がないかを確認して、使える控除はしっかり利用してください。

 

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